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鹿児島城(別名「鶴丸城」)御楼門復元工事立ち会い

2018/1/30

鹿児島城(別名「鶴丸城」)御楼門復元工事立ち会い

大河ドラマ「西郷どん」で注目されている鹿児島県ですが、
薩摩藩島津家の居城だった鶴丸城の御楼門は
1873年に本丸等と共に消失しておりましたが、
明治維新から150年を迎えた事から
今年度から御楼門復元工事がスタートしました。

工事に先立ちって行われた遺跡発掘跡の埋め戻しを、
基礎塾でもご紹介している「版築工法」で行うという事で
工事を受注された株式会社江藤建設工業さんから
施工前に基本配合をご相談を頂いた関係で
施工立ち会いをして来ました。

版築とは、土を建材に用い強く突き固めていき、
堅固な土壁や建築の基礎部分を徐々に高く構築する工法で、
今回の施工では、土に鹿児島のシラスを使用し、
石灰と苦汁を配合したものを付き固めています。

国内でも古くから多くの古墳や建物下の補強等に用いられ、
法隆寺の築地塀や高松塚古墳が有名です。

施工方法は浅層混合処理工法(表層改良)と類似していますが、
表層改良はセメント系固化材を使用しているのに対して
版築工法は材料が全て天然素材であるという事が挙げられます。

今回の施工で版築が採用された理由は、
「文化遺産であるから従来と同じ方法で」との
鹿児島県の要望によるものと聞いています。

セメントと水と土を混ぜればモルタルに、
更に砕石を加えるとコンクリートになりますが、
両者とも突き固めなくても、時間が経てば固まります。

一方で版築は、気温・湿度に合わせて調合を調整し、
突き固め回数や撒き出し厚さを使用する土の特性に合わせて
状況に応じて突き固めないと固まりません。

手間はセメントを使用する場合に比べて格段に掛かりますが、
耐久性が現在の地盤改良と比較してずば抜けている事は
1400年余り前に施工された法隆寺でも実証済みで、
寺社仏閣等の古建築の建替えや移築でも検討されており、
環境に優しい地盤補強工法です。

鶴丸城御楼門復元に伴う版築による埋め戻し工事は、
来月上旬まで続くとの事ですので、
鹿児島に行かれる際には一見の価値有りです!

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